東映杯TDが呟いてます。

ディベートと大会運営がメインです。

コミフィーのはなし

はろーこんにちは。

最近はこんな動画を見て眠りについています

ようやく東映杯の返金手続き終わったし、お金の話でもしよっかな。

ちなみに東映杯の返金が遅くなったのは僕の手落ちです……ごめんね……。東映杯におけるチーム再編成に伴う金のやり取りの調整が難しかったのもありますが、何故か収支計算が合わなかったり、個人的に卒業式云々の手続きとかで多忙だったりして、後回しにしてました!だってたくさんの口座に一気に送金するの大変なんだもん。

 

コミフィーってなんぞ

またコミの話してるよこの人って言われそう。そういう目線でものを言うブログなので許して!あとは「なんで最近参加費高いん???」という疑問にも部分的に答えられるはず。はず。

閑話休題

大会運営において、運営に関わってる人には、(雀の涙程度ではあるんだけど)お給金を出す制度が主流です。

それを聞いても「エッ何のためにお金払ってんの??」ってなる人は次の大会の時にでもコミを注視してくださいね!!!休みの日を何の見返りもなく供出して、「ゴミ袋いっぱいなんだけど」「これ忘れ物です」「トイレどこですか」みたいなリクエストに延々応えなくてはならないのに無給、は流石につらい。

 

基本的には、

  • 正規コミ(要するにTDとかCDみたいに役職についてるOrganizing Committee)
  • AC(Adjudication Core)
  • 当日コミ(初日だけ色々雑務を手伝ってくれるスタッフさん)
  • 例外的にアドバイザー(正規コミじゃないけど運営に関わってくれている指南役)

にお給金、もといコミフィーをお支払いしています。

 

 本日のラインナップ

①コミフィーの導入経緯(ざっくり)

②コミフィーの適正価格っていくらだろう

③次回予告:コミフィーと予算とFDのお話

 

コミフィーの導入経緯(ざっくり)

4つの悲しい背景:

①運営になってくれる人が少ない

とにかく人材不足。大会運営なんてしないで参加者でワイワイしたいよ~~~~って言うのがまあラクだよね普通。その中で「やりがい」とか「責任感」とか「被承認・肯定感」だけで大会運営にコミットしてくれるような人材はまああんまりいない。みんな、ふわっとしたやりがいよりはブレイク実績の方が欲しいでしょ?「ありがとう」という形のないイマイチ実感しにくいメッセージより、「おめでとう」というわかりやすくて気持ちいい言葉の方が欲しいでしょ??僕も未だにそう思っています。

運営ってそういうフラストレーションとかちょっぴりの後悔を抱えながら仕事をすることも多いので、モチベーションに繋がるものが明示的にないと健全にお仕事するの難しいんです。「コミかっこいい!」みたいなイメージ改善が少しプラスになってきている側面もありますが、まだまだそれだけでは大会運営全体を回せるほどの原動力には足りない感じです。

 

②運営の質への期待値が高くなってきた

参加者サイド(もしくは参加者でもない人)からの意見は時に単純な疲弊を生みます。意見を頂けることはもちろん重要なことでありがたいのですが、当然常に賛否両方の意見に晒されるわけです。時に両極端なその意見群に振り回されたりとか、堅苦しい釈明文を大量に書く羽目になったりとか、もうどこをどう優先しても全て投げ出したくなる状況が多々あります。

AC選び一つとっても「なんで○○は考慮されていないんですか?」とか、ブレイク基準・ランキング生成基準で「なんで○○の方式を取らなかったんですか?」「○○をやらない理由は何ですか?」とか、あらゆる質問が【手遅れになってから】来るもんだから対応でゲッソリしてしまうこともしばしば。ミスなんかすると自己責任の強いコミ陣は強めな罪悪感だったりを抱えて長文の謝罪&訂正文をしたためることになっちゃう現状もあるわけです。実際、「ごめーん間違えちゃった!」みたいな軽い訂正文書いたら怒られそうだな〜炎上怖いな〜とかいろいろ考え過ぎなところはあります。それもこれも、大会炎上の恐怖を知っている身からすると必要なリスクヘッジとして、自ら余計な仕事を増やしていくわけですわ。

大袈裟じゃね?と感じた人はコミ経験豊富な人に悪夢のようなトラブルの数々を聞いてみような。吐きたくなるぜマジで~~~(私怨)。

 

③運営の仕事量が増えている

実際仕事量は増えています。前述の「期待される仕事の質が上がっている」ことにより、事前or当日に運営側が行うべきことが無限に増えていることが原因でしょうな!良くも悪くも!

実際のケースを挙げると、タブが最たる例かな。タブソフトを小規模大会でもお遊び大会でも導入することが当たり前になったが故に、要求されるタブのパフォーマンスクオリティがWUDC並みになり、結果としてタブチームの事前作業量は鬼のように増えております。タブ飛んだ時もなんとかしろとか言われても無理だよ!一部の超人くらいですよ、某イン哲とか僕とかmnhsとか。

MDとかも、最近はmotionムービーとか作らない大会が増えてますよね。ムービー作るのは他に大会抱えてたり勉学並行だと、やっぱり負担が比にならないやばさ。東映杯では某ライダーと2つずつ動画を担当したんだけど、結果的に徹夜は避けられませんでしたね。その上で、オリジナルロゴとかさ、やたらと長くて打つのが大変なチーム名とかさ、なんなら直前の参加者変更とか、参加者のニーズに応えていたら表彰スライドで手一杯なんてこともよくあるわけで。自分の複数インステを表示したい気持ちも、チームのオリジナリティを表現したい気持ちもわかるからこそ、切り捨てざるを得ない仕事も増えています。 

……この調子で各役職の愚痴をぶちまけてると終わらないので割愛しますね!!

 

④運営の負担が上がっている

負担って総合的かつ抽象的なワードですけど、具体的に述べると「大会を開くことそのものの負担が昔と比べると年々上がっている」という感覚です。

一番大きくてわかりやすいのは会場確保かなと思います。いくつかの大学のパーラコミュニティが消滅したり、大学側が塩対応だったりと会場確保は年々難しくなっています。パーラサークルがある大学数が少ないからコネがない、サークルあっても部員数不足とか学事局が貸与拒否とかで窓口もない、有料スペースを借りられるような金もない、よって大会開けない。間違いなく今後起こる事態です。そこに、今回の東映杯や春Tを襲っている新型コロナウイルスの様に、イレギュラーな事態が重なればもう大会は本来亡きものとして扱うほかないでしょう。我々運営の心身が病むか、大会が滅びるかの二択なわけです。闇~~~!

 

コミフィーは「本来ならばこの状況では誰もやりたくないであろう大会運営を、私的な時間を投げ打って余計な仕事を抱えてまで引き受けてくれた人たちに、せめてもの報酬及び謝意の形として(あわよくばそれをモチベーションにしてもらうために)払っているお給料」なのです。

もともと制度ではなかったコミフィー、いつだかは流石に僕も若輩者なので知らんのですが、どこかの大会で導入されてから、JPDUTでは恒例、大学主催大会や趣味有志大会だとマチマチな感じで導入されています。お願いだから全大会でマストで導入して。

 

ここで声を大にして言っておきたいことは「大会を存続させたいなら、(多少過剰なくらいに)コミに金を払え」ということです。大会は「やりがい」とか「貢献」みたいな安っぽいパッケージングのされた綺麗事で回るほど生易しいものではないし、口だけなら世間体を気にしてどうとでも伝えられる「ありがとう」だけで頑張れるようなことでもありません。もう感覚は仕事です。拘束されている時間は2日間大会でJPDUT並みの規模なら2か月以上です。

ORに落ちてるゴミに毎回あれだけキレているのは「まともに見返りももらってないのに、中身が零れたまま放置されたMonsterの缶を片付けさせられたり、食べかけの誰かの残飯を拾わせられたりするのは何故なのか」という怒りですよ。御社の面接でも同じ真似ができるならしてみろ。

さすがに憤怒と呪詛が漏れてきたので「じゃあコミにいくらくらい払えばいいんだろう?目安が知りたい」というニーズに応えていきましょう。

 

コミフィーの適正価格っていくらだろう

仕事の負担量や拘束時間からいくと、正規コミ>AC>(EO)・当日コミですから、それに合わせて傾斜をつけることはいいと思います。勿論、ACがめちゃくちゃ積極的に運営にコミットしてくれている場合などは同額に揃えるのも当然アリです。

※個人的な感覚として、ACはACを務めたことそのものが実績なり得るのに対し、コミはやっても実績どころか機会的にはマイナスで見返りゼロなので、傾斜は妥当じゃないかと思っています。

さて、まずは大会当日の拘束時間から見ていきましょう。2日間大会のケースで。1日大会ならこの試算の半分くらいを目安にしましょう!

試算にしては雑な基準で怒られそうですが、1つの金銭感覚として見てくださいな。

 

<正規コミのお仕事とフィー試算>

予選日は、8時から開場作業、18時に会場撤収作業、19時まで雑務してる感じ。(ちゃんと仕事をしている場合は)ラウンド中とかも完全に休めてるわけではないので、2時間休憩できてればいい方かな……。そうなると9時間くらいは働いてる。

ブレイクラウンドしかやらない2日目は、8時開場だとしても18時には解散できる。そのあとTabは追加作業がある場合もあるけど。ただ、休憩は2時間はない感覚です。当コミいないからランナーやったり、お弁当取りに行ったり、発表スライド作成あったりと1日目より余裕がない。同じく9時間労働くらいで換算できるかな。

 

某大学の試験監督が時給1000円弱だった記憶なのですが、そうなるとコミには【15,000~18,000円】は支払う必要があります。厳密に最低賃金で計算するなら、東京が1013円とかなので、18,000円は超えますね。

もちろん交通費や、事前の打ち合わせなどにかかった費用は別途計上です!!

 

<ACのお仕事とフィー試算>

ACは大会の内容や規模によってコミット度が大きく違います。そしてAC個人の事情によっても大きく変わってきます。社会人など多忙な立場の人がACの場合は多くの事務仕事を正規コミが担っていますし、逆にハイパー積極的に正規コミのサポートやカバーに入ってくださる方もいます。

マストな仕事は

  • ジャッジテストの用意と採点
  • 大会中のジャッジアロケ確認
  • 事前の論題考案
  • Judge & Debater Briefing作成

のみで、マストじゃないけどやって貰えると有難い仕事は

  • タブソフトの諸設定の確認or指示
  • AC側の仕事進捗を自発的に報連相

くらいです。

当日はACはコミレベルに早く来る必要は無いし、アロケも(タブが熟練なら)細かい修正作業のみで済みます。当日の拘束時間はコミより実質1時間くらい少ないかな。

そうなると、正規コミの7〜8割の労働量ということで【10,000円〜15,000円】くらいが目安じゃないかと思います。

 

<当日コミのお仕事とフィー試算>

当日コミの仕事は基本はランナーorシャドーですね。

  • 会場の道案内
  • 提出物の催促
  • おつかい(弁当とか)
  • 参加者欠員を埋めるためにディベートする

ただまあ、最近は「交通費と謝礼と昼飯を貰ってディベートできる!」とか「仕事してる時以外は遊べて楽」みたいなコメントを見聞きすることが多くて、モヤモヤしております。そう言われると謝礼出しづらいんだよな。

ACや正規コミの拘束時間や責任と比べれば、当日コミは責任を取る必要がなく、かつ負担も少ないので、謝礼額は少し減らしてもいいのかなと思います。正規コミと違って早く帰れるし、ラウンド中は何しててもいいわけだからね。

それでも、1日まるまる拘束されるので、6時間くらいは労働従事時間と捉えていきましょう。そうなると、【4,000~6,000円】くらいは支払っていいと思います。ただ人数によりますね。当コミは正規コミと違って、人数が多ければ仕事量がなにぶん少なくなりますし、仕事に従事する時間も激減しますから……。あとは各個人のやる気度合いもめちゃくちゃ大事。過去には、寝てて連絡や指示に気がつかないとか、途中で連絡つかなくなったまま消えた当コミとかいましたからね。ははは。

 

次回予告:コミフィーと予算バランスのお話

長々お付き合い頂きありがとうございます!ほんとに!

いや〜コミには相当お金払わんとダメよね。あれだけ仕事してくださってるからね。

ただ、予算がやばいんですよ。ほんとに。年々赤字が出る回数が増えていて……前回の東映杯がキャンセル続出のなかでも黒字を回せたのは奇跡だった。まあ、最近の流れとして、赤字の予感があったので、FDちゃんに余裕もって予算組むようにお願いしてたのがよかった。

 

なので、今後の大会運営においての参考になるかなと思い、次回は東映杯の予算書を公開しつつ、色々とコミがお金に困ってるポイントを説明しようかと思っています!!

なにか気になるポイントがあればコメントとかで残して貰えれば反映します💪('ω'💪)